酸化マグネシウムのような塩類下剤(マグラックスやマグミットなど)は現在とても多くの便秘がちな人に処方されている便秘薬です。
出にくい時にだけ利用する程度の事ならばよくても、慢性的な便秘の方が服用し続ける事で、いったい体の中では何がおこってくるのでしょうか?
特に高齢者の便秘に多く利用されているので、その問題点を考えてみたいと思います。
② 胃酸を薄める影響
塩類下剤は「アルカリ性」というph(ペーハー:水素イオン濃度)を利用して胃酸を中和する効果があります。
便秘でお悩みの方に長期服用をした場合、これが裏目に出る事があります。
胃酸を中和するという事は、胃壁へのダメージ(攻撃)因子を減らすという意味では良いように映ります。
しかし、胃酸がなければタンパクの消化が上手くいかなくなります。
食物の消化は酵素によって行われています。
胃では「ペプシン」という消化酵素によってタンパク質が消化されます。
この酵素は酸性でもっともよくタンパク質を消化します。
胃が酸をを分泌しているのには意味があるのです。
胃酸を中和してしまうと消化酵素の働きが弱まり、タンパク質の消化が不完全となります。
するとタンパク質(アミノ酸)の消化吸収量に影響します。
栄養失調による肉体機能の低下に発展します。
またタンパク質を栄養源としている悪玉菌が活発になり、様々な有害物質が腸内に増える可能性もあります。
③へつづきます。
塩類下剤が利用されている背景には「硬いウンチ」に対する恐怖心・不安があります。
特に痔を経験されている人ならば悪化するのをとても恐れています。
治療法は症状と体調、体質を見極めてのご提案となりますが、当店では下剤を中心にする治療法のご提案をしておりません。
小便が出なくなるのは危険性が高いのですが、大便は場合によっては出にくくなるのが肉体の調節機能によります。
便の硬さを上手に調節すれば、肛門への負担も減り「痔」自体の悪化も防ぐ事が可能なのです。
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