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酸化マグネシウム(マグラックスやマグミットなど)の塩類下剤で出にくくなってくるのはなぜ?①

80歳代の女性からのご相談です。
主なお悩みは
1、便秘 便意はあるけれど行っても出ない
2、夜中にお腹が張ってトイレに行くが便は出ない
すでに便秘薬は使っているのですが、段々と薬が効かなくなってきたというのです。
同じようなケースでお悩みの方は多いのではないでしょうか。
5年以上は酸化マグネシウム製剤と乳酸菌製剤を継続服用中です。
飲み始め当初は1日に何度も水溶性の下痢になっていたそうです。
それでも服用回数を指示どおりに飲み続け、いつの頃からか便秘がちになったそうです。
とても口が渇くそうでしょっちゅう水分をとっています。
細かに体調面の不調や、体に現れているサインを注意深く観察しました。
塩類下剤が胃腸にどのように働くのかを私なりに説明しました。
① キュウリの塩モミを例えて
塩類下剤の効用は「便の水分量を増加する」というものです。
この薬を続けて腸から水分を出すことがはたして良い事なのでしょうか?
冷静に考えてみました。
肉や魚、野菜などを塩モミすれば水分がでてきます。
これが塩類下剤の水分量増加の仕組みです。
(浸透圧で水を引っ張り出すというわけです。)
この女性の場合、最初に下痢をされたそうです。
効き目はしっかりと出ていますが効きすぎている印象です。
(下痢をしてまで出す事が良いのでしょうか。)
指示どおりに服用されたのが悪いといえばそれまでですが、80歳代の方は律義に守られる事でしょう。
塩モミし続けたらキュウリだってシワシワに、肉だって魚だってボロボロのカスカスになってしまいます。
続けているうちに大便が出なくなり、夜中にお腹が張るようになってきたとの事。
塩類下剤では対応しきれていない状況になっているのは明らかです。
さらにこの夏も暑い日が続きました。
体力的にも、体液的にも消耗があるでしょう。
そんな状況下での塩類下剤での塩モミ法の要領で便通をよくしようとしても現実には上手くいくはずがありません。
ご本人の話では肛門から指を入れても便が確認できず、浣腸をしても便が出ない、そんな状態が続いているそうです。
異常に咽がかわき、しょっちゅう水分をとっているそうです。
この渇きも塩モミ法の影響だと考えております。
(他にも色々な薬剤を服用中です)
②へつづきます
塩類下剤が利用されている背景には「硬いウンチ」に対する恐怖心・不安があります。
特に痔を経験されている人ならば悪化するのをとても恐れています。
治療法は症状と体調、体質を見極めてのご提案となりますが、当店では下剤を中心にする治療法のご提案をしておりません。
小便が出なくなるのは危険性が高いのですが、大便は場合によっては出にくくなるのが肉体の調節機能によります。
便の硬さを上手に調節すれば、肛門への負担も減り「痔」自体の悪化も防ぐ事が可能なのです。

田辺 豪
大和漢方センター田辺薬局の代表・薬剤師
私が営む薬局は「健康相談薬局」というスタイルが特徴です。
個々の疾病や症状に応じてご提案します。
お客様に対して専属の相談担当者が、ご提案とアフターケアを担当します。
初回の、ご相談から、漢方薬や保健薬、健康食品の選定及び販売、養生法の指導、等の提案及び販売に要する時間は60〜90分を目安としています。2回目以降は30分を目安としています。
漢方と中医学の考え方をもとにした治療観や健康観をもって提案します。
人間にもともと備わる「自然治癒力」を最大限に引き出せるような方法を考えて提案します。
日本国内で製造している漢方薬を取り揃えています。
日本製の独創的な保健薬と健康食品を厳選して取り揃えています。
オーガニックで自然派な保健薬、健康食品を取り揃えています。
希少生薬を活用することがあります。
動物生薬を活用する事があります。
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